天保異聞 妖奇士 説二十二

今回の奇士達はギャグ担当です。
・・・代わりにアトルの話しが重いし救いがないね・・・
それはおいといて、濡れた巫女装束ってエロイね(爆)

大した被害も出してないし、弱そうな『赫水』―――水虎―――だけど・・・コイツやばくね?
『赫水』の造る酒って、妖夷の肉が混じってるんでしょ? つまりあの酒を飲むのって、妖夷の肉を食うのと同じじゃないのか?
麻薬を撒き散らしてるのと同じだよな。

時事ネタである竹島の名前が出てきた時は「あえてその話題に触れるか・・・」と思ったけど、ここで言う竹島は現在の鬱陵島のことで、違う島との事。
でも竹島問題の事も挙げていました。
やっぱ侮れねぇな。
掟を破り、朝鮮と交易をしていた藩主。
処理に困った岡田はそれを売ってしまい、その責を取らされ腹を切らされるという。
国にバレれば殿様が切腹して、藩はお取り潰し。数百人が路頭に迷う事になる。
だが今なら1人の犠牲で皆助かる。
だけど・・・岡田は何も悪い事をしていない。罪を犯したのは藩主で――そもそも異国との貿易を禁止する法律が元凶ではないか?
その事を問いただしに、アトルは鳥居耀蔵の元に向かったが・・・。
・・・しかし、アトルって自分の立場を知らないんだろうなぁ。

日本が異国との貿易を禁止しているのは、交われば諍いが起きる可能性が在るから。
かつて日本は朝鮮に仕掛けた歴史があるが、元寇等の大陸の脅威も在るし、逆に高句麗百済の時代には朝鮮の脅威も在った。
鳥居の言う通り、違う世界に生きる人――異人に対し人は強い警戒を示す
そして国は呆気なく滅びる事を、アトルは身を持って知っている。
・・・知らない事で得られる幸せも在る。
結局、誰も何も「悪」ではない。岡田の死は鎖国というシステムの一つに過ぎない

「死」の原因が存在せず、岡田を救う手段が無い事を知ったアトルは、彼を『異界』に逃そうとする。
今は折しも、『赫水』という妖夷が江戸を荒らしている。つまり妖夷を――異界を望む人間が居る。
それが誰かを知る為に、アトルは『豊川狐』を訪ねた。
豊川狐は素直に協力してくれるが・・・『狐』達も『異界』への道を探している様子
帰巣本能みたいなものか? それとも「神」として単独で存在出来るであろう稲荷達は、現世なんか捨てて『異界』に行きたいのかもしれない。

妖夷を創り出したのは、父親の酒乱に苦しむ娘だった。
『狐』は異界への扉を開くようにアトルを急かすが・・・その方法は、彼女をもっと追い詰める事だった
父親も現実も認められない。これ以上苦しむぐらいなら、此処ではない何処かへ行きたい。
それって自殺させるって事だろ。
1人の命を救う為に、1人殺す。・・・無意味だ。何の解決にもなってないし、救いが在るとは思えない。

結局、アトルは娘を殺す事は出来ず、往壓が娘に現実を教えただけ。
・・・根本的な解決なんて出来ない。
往壓が言う通り父親はまた酒を飲み始めるだろうし、娘もまた『異界』を望むかもしれない。
他人が出来る事は現実を直視する様に言うだけだ・・・

「この世に居る理由なんて何も無い」と吐き捨てる『狐』。
「面白いか・・・? この世は」と問うアトル。
頼むから雪輪も河鍋狂斎も黙らないでくれよ・・・ッ