天保異聞 妖奇士 説十五

間違いなくBAD ENDです。
でもそれがイイ!!
やっぱり脳の構造上、暗い話の方が印象に残るのかな?
しかし「後味が悪い」けど、それは「不味い」じゃなくて「苦み」って感じ。
否定される要素ではなく、むしろそれさえも味の内だね。

やっぱりBONESです! 會川昇です!!
ちゃんと前回肯定された事を否定してくれました!!!
女郎の平均死亡年齢は22・3とのこと。
実際にはそれより長生きするんだろうけど・・・前回予想した通りの問題が生じている様です。
んで結局「商い」を続けるしかない、と。
やっぱり 女郎=可哀相 で。
自分の力だけで――独りの力で生きていこうとする清花。
初めは「強い」女性なんだろうと思ったけど・・・何か違うな
これは(何が原因かは分からないけど)他人に頼る事を極度に嫌っているか、他人を全く信用してないか、だな。

そして清花は、「現実逃避」することも決して認められなかった。
・・・その理由は、残念ながら妖夷になった事で分かった。
本当は彼女も「羽の生えた自分」を―――「違う自分」・「違う場所」を―――望んでいたんだ。
おそらくそれは、簡単な事。
今までの信条を捨て、市野と共になればいい。
・・・今までの「自分」を、過去を否定して生きればいいんだ。
「今まで」があったから、「この結果」に至る事が出来た。
外面だけ観れば、全て必然に思えるけど――本人からすれば、「今まで」の自分の想いも否定する事になる
そんなの認められないよな・・・

妖夷となってしまった市野。
放三郎が言うには、すでに死んでいたらしい。
――おそらく自害したのは本当なのだろう。
市野からすれば、愛する者を手にかけてしまい、さらに彼女は化物になってしまった
そんな「罪」、背負い続けられないよな・・・
妖夷と化した市野の漢神は『愛』。
愛の為に他人を殺そうとし、人を捨てても彼女を守ろうとした。
確かにそれは『愛』だけど・・・だからこそ往壓はやりきれないよ・・・

締めでアトルが言う通り、「違う場所」を求めることはいけないのだろうか?
「今」とは違う状況を求める心。それは「向上心」ではないか?
現実逃避は過ぎたら「毒」だけど、必要な「栄養」だと思う。

「『蛹』について次回書く」と、前回書いたけど・・・やっぱいいや。
「蛹は蛹のままじゃいられない」って言葉と、今回の話で充分分かるし。

「カラクリが動く時、少しだけ歴史を変えるのか?」
どうしてもBONESが言うとラーゼフォンを彷彿とさせる(笑)