ローゼンメイデン・オーベルテューレ

初めのジュンと真紅の諍いは、同情繋がりなんだね。
「いつも同じ服で可哀相だから」と言う潤。真紅の想いを無視した親切の押し売り。
それに対しての、真紅の水銀燈への同情・・・

水銀燈の服(?)に薔薇が付いてたのは、やっぱり『第1ドール』だからか?
一番初めに作ろうとした薔薇乙女
最初の作品なのだから、ローゼンも強い思い入れがあっただろう。
それは自分と『ローゼンメイデン』を象徴する『薔薇』を与える程だった。
だけど・・・最初の作品だから、やはり上手く作れない部分も出てくる。
そんな不出来な人形が『ローゼンメイデン』と言えるのか?

――ローゼンが出した結論はNO。
そして水銀燈を捨て、第2ドール=或る意味『最初のローゼンメイデン』を作り出したのだろう。
だけど、ローゼンの性格からいって、心≒ローザミスティカを持った人形を廃棄するなんて有り得ない。
つまり――ローゼンは水銀燈が意思を持った事を知らなかったんだろうな・・・
醜い・・・醜悪すぎるよ真紅・・・
真紅の抱いていた水銀燈への同情――蔑み。憐れみ。
その根幹にあるモノは、指摘された通り「水銀燈ローゼンメイデン」という傲慢な想い。*1
これはローゼンメイデンの初期にも見られた、真紅の一番醜いところだな。

そして、ローゼンが一番上手く作れた=『アリス』に近いと思ったのは、やはり真紅なのだろう。
『薔薇』を与え、自分の姿を模したブローチを付けさせたのだから。

なんか水銀燈を見てると、キルシュヴァッサー*2を思い出す。
生まれる前に、存在意義を失ってしまったか・・・

ローザミスティカ』の中心部分って、原子みたいな球体じゃなくて、赤い石なのね。
ローゼンが錬金術も学んでいた事を考えると、あれは『賢者の石』『柔らかい石』と考えるのが妥当か。
それと今気付いたけど、『賢者の石』の練成過程を踏まえて考えると、第一過程の『黒色化』=水銀燈 第四(最終)過程の『赤色化』=真紅 ということも含まれているんだろうな。
んで、ローゼン自身は『黄金』を手に入れて高次元に昇ったと予想。

結論、面白かった!
また続編やってくれないかなぁ。オリジナルストーリーでもいけそうだと思うんだけど。
むしろ、ヘタに原作に沿おうとすると薔薇水晶みたいな「歪み」が出そう。

心理学

以前書いた事を踏まえて考えるなら、蒼星石と真紅が強く『お父様』を求めるのは「エディプスコンプレックス」みたいなものか?
蒼星石はアニマ=男性的。そして真紅を表す『理性』や『知性』は男性的と言えるだろうし。

*1:純粋に可哀相と思う『優しさ』が無かったとは言わないけど・・・

*2:ゼノサーガ