ローゼンメイデン・トロイメント 第12話

ああ、そうか。どうりでローゼンが「アリス」の誕生を阻害するような行動をとってたわけだ。
こいつ偽物だったのか!!
槐がローゼンの弟子ねぇ・・・
ミーディアム「力を与えるだけの存在」と言う「偽」ローゼン。・・・だからこいつは師を越えられないんだな。
本当にそれだけの存在かどうか、真紅達を見れば分かると思うんだけど。

「姉妹」を殺したと、水銀灯と薔薇水晶を責める真紅。
それに対する水銀灯の答えは「ローゼンメイデンだから」・・・戦う宿命を定め付けられた存在だから。
――真紅は水銀灯が戦う「本当の」理由を知らない。
真紅に押され気味の水銀灯。だが、まだまだ力は溢れてくる。――力。その溢れ出る力は何処から得ているのか?
ミーディアムローゼンメイデンに力を与える人間。・・・水銀灯の契約者。めぐ。
その力の源に気付いた時――水銀灯は力を使う事を止めた。
壊される気持ちは、侮辱される痛みは、よく解っている。
水銀灯は真紅に侮辱され*1、壊された――殺されたのだから。
殺された者は、何があろうと決して殺した者を許さないだろう。
・・・きっと水銀灯は、真紅以上に「戦う」事の意味を理解して戦っているのだ。

「ごめんね・・・めぐ・・・」
水銀灯のローザミスティカを得て、ようやく水銀灯の事情を知る真紅。
真紅の行動は間違っていた。・・・少なくとも、熟思した結果ではない。

全ての憎しみを薔薇水晶にぶつけ、トドメを刺そうとする真紅。
しかし・・・それを止めるジュン。
ジュンも薔薇水晶に対し、憎しみを抱いていただろう。
だがその憎しみより、これ以上みんなが戦い、傷付く姿を見たくなかったのだ。
――ジュンは識らない。「自分」に対する「絶対的な悪」というものが存在することを。

真紅を倒し、全てのローザミスティカを手に入れる薔薇水晶
そして・・・師を越えたと歓喜する槐。
・・・たったそれだけの為に、真紅達は殺されたのか!?
だが、薔薇水晶は「アリス」の器として不完全だった。

6人分のローザミスティカに耐えきれず、崩壊し始める躰。
それでも、槐―――父親―――の為にローザミスティカを解放しない薔薇水晶
左目から溢れる涙。・・・眼帯に隠されていたのは「感情」。
薔薇水晶は「無」ではなかった。
真紅への異常な執着は、真紅が「理性」の象徴であり、薔薇水晶も「理性」の象徴を目指して創られたからだろう。*2

崩れていく薔薇水晶を抱きしめる槐。
・・・一度壊れたものは、二度と元には戻らない。それは直しても同じ事。
だから槐にとって、「壊れた薔薇水晶」――失敗作・欠陥品など、何の価値も無いはず。
だが・・・薔薇水晶は父親を求め、槐はそれに応えた。結局、槐も薔薇水晶を「本当」に愛していたということか・・・
壊れようとも、ローゼンを越える人形でなくても・・・

ジュンの叫びに応え現われる、本物のローゼン。
タイミングといい、やってる事といい、正にデウス・エクス・マキナだな。
ジュンや真紅達「ローゼンメイデン」の悩みなんか超越し、事態を収拾させるところとか。

「アリス」になるには全員のローザミスティカが必要。
・・・だけどそれは、方法の一つで、他にも「アリス」へと至る方法はある事を伝えるローゼン。
そして雛苺蒼星石はそのままだが、普通の「日常」に戻っていく真紅達だった。

ん〜 尺が足りないなっ! 最後の最後も、尻すぼみって感じだったし・・・。
個人的にはかなり楽しめたから、最後がちゃんと締まらなかったのは残念!
それと、漫画版を知っている人からすれば、黒歴史扱いらしいけど・・・漫画版読んでないから、普通に楽しめた俺は勝ち組だろうな。

*1:「ジャンク」と呼ばれていた

*2:それと、実際は「感情(本能)」の象徴である為、「理性」の真紅とは対極に位置していたから、というのもあるかも