灼眼のシャナ 第16話

天目一個は、「贄殿遮那」の影響で変異したのではなく・・・「贄殿遮那」の為に、自らミステスになったのか。
自分(天目一個)が作った最高傑作である「贄殿遮那」。
それに相応しい相手を見極める為、自ら「宝具を内在する存在」――ミステスとなった。
そして「贄殿遮那」を託すに足る存在を探しながら、自らの存在を維持する為に紅世の徒を喰う・・・化け物トーチ「天目一個」と成ったわけか・・・。

ウィネ(持ち主)の死によって発動する破壊の自在法。
「逆理の裁者」ベルペオルの発言からすると、どうやら手駒はウィネ一人だけではなく、鍵型宝具もまだまだあるみたいだな。

時が満ち、本来の姿を取り戻すシロ――紅世の王、「虹の翼」メリヒム。
メリヒムは先代の「炎髪灼眼の討ち手」との約束を守る為に、今までシャナを鍛え上げてきた。
そして最後の仕上げの為にシャナと一騎打ちを始める。
どうやらメリヒムの「力」はかなり強く――アラストールと同じぐらいありそうな様子。
そんな相手にシャナが勝てたのは・・・メリヒムの存在力が消耗しきっていた事と・・・メリヒムがシャナを倒すつもりが無かったからだろう。
今回でシャナが独り立ちした様に見えるけど・・・後の事を考えると、「フレイムヘイズの義務」を背負う覚悟が決まっただけなんだろう。
紅世の徒が言う「討滅の道具」で在る事を受け入れたにすぎない。
そして・・・ヴィルヘルミナアラストールティアマトーは間違っている。
「一人で生きていける」のと、「一緒に居たい」というのは別だ。
その事を紅世の王である二人はまるっきり分かってないし、ヴィルヘルミナも自分の感情を抑え、シャナの願いを断った。
――どれだけヴィルヘルミナが強いフレイムヘイズでも、「討滅の道具」から抜け出せていない。
だが、それ故に「自我」を確立していた「先代の炎髪灼眼の討ち手」に惹かれていたのだろう。

存在の強さ

絶大な力を持つはずの紅世の王が、たった一人の人間との約束の為に消滅した。
メリヒムやフリアグネを見ると・・・紅世の徒(王)は己の存在意義を定義する事により、弱くなるのではないだろうか?
――いや、それは空想のモノだけじゃなく、現実の人間も同じかもしれない。
本当に『強い』のなら、己の存在意義など考えないし、求めない。
自分が今、何の為に存在しているのか? それを決めてしまってはいけない。
何故なら――それが達成された時、存在意義を失ってしまうから。