交響詩篇エウレカセブン 第30話

脚本が小中千昭なのに、(たぶん)万人に分かる内容という、個人的には驚きの30話。
だって16話なんて、「そういう」知識が無い人には、さっぱり分からない内容じゃん。ウルトラQ24話25話は用語を知らないと全く分からない話だし・・・ねぇ?
・・・今、16話の感想を読み直したんだけど、「エウレカが人間じゃない」という伏線って色々在ったんだなぁ。
あと・・・ついにOPの作画の酷さが、さすがに許せなくなってきた。
提供の時に表示される二人の絵と明らかに違うんだもんなぁ・・・。
ぜひ描き直して欲しいな。

本編

なんとなくは理解したけど、全ては理解出来なかった「エウレカ」という存在。
エウレカを理解したいと望むレントンは、全ての「知らないこと」を知る事を望む。
何も知らずにエウレカと逃げ出そうとも思ったけど・・・ビームス夫妻との約束を、あの日々を無意味にしないように、知ってなお、エウレカを愛する道を選ぶレントン
―――何回も言うが、あえて言わせて貰おう。
知らない事で起きる不幸も在れば、知る事で起きる不幸も在る。
どうやらホランドは、レントンの姉、ダイアンに惚れていた(付き合っていた?)らしい。
ホランドはダイアンに捨てられた様だが・・・「ダイアンが居なくなった」とは?
それにしても、最近タルホが情緒不安定気味に見える。
なんだかんだ言っても、タルホにとってホランドの存在は大きい―――大きすぎる―――のだろう。
『成長』したニルヴァーシュを改造する為にトレゾア研究施設に向かう月光号。
トレゾアは軍に属してはいるものの、「研究所」としての色の方が強い模様。
最近は軍の無茶苦茶な要求のせいで大変らしいが・・・やはり、その要求を出しているのはデューイなのだろう。
トレゾア研究施設の人間は、自分達が研究し作り出している物が、人を殺す兵器だと解っている。
それでも研究を止めないとは・・・少しマッドっぽいな。
いや、「学者」と呼ばれる者達は、誰しも多少の差異はあってもマッドサイエンティストなのかもしれない。

「知的好奇心―――最もエゴイスティックな感情ね」
軍=アゲハ隊の注文により、特殊な爆弾を作っているトレゾア研究施設。
その特注の爆弾とは、可能な限りスカブの最深部にインパクトを与えるというもの。
―――コーラリアン達の核は、星の中心部にあるのか? それとも・・・「星」の核自体を、「星」自体が敵なのだろうか。
LFOの歴史映画を見る二人。
コックピット部に神経が集中していて、そこにコントロールする「モノ」が有ったと思われる。
―――では、何故そこだけ無くなっているんだ?
人間でいうならば、遺体の「頭部」が無いのと同じ事だろう。
そこだけ材質が違ったのか。或いは・・・抜け出たのかも・・・。
LFOの動力源はトラパーとの事。トラパーを受け、タービンを回しているのだろうか?
動力源であるトラパーを多く受ける為にリフボードに乗る、今のタイプになったという。
そして、技術的にとても難しい「LFO用のリフボード」を作り出したのは、レントンの祖父、アクセル・サーストン
しかもトレゾア研究施設の所長だったらしい。
リフボードの事は漫画版で知ってたけど・・・滅茶苦茶偉くて凄い人だったんだなぁ。
発掘された時から2座席分あったのは、ニルヴァーシュアーキタイプだけ。
普通の人が乗っても自律行動を取らない為、まともに動かせないニルヴァーシュ
パトレイバーで言う所のオートバランサー*1が働いてないんだろうな。
普通の人には乗れないLFO
しかし、エウレカが乗ると複雑な動きも可能になる。―――エウレカニルヴァーシュが同調しているのか?
2座席分あるのは、片方が他の人間、もう片方はエウレカが乗る為か?
いや―――そもそも、アーキタイプは「偶然」人が乗れる様に作れただけで、実際には違うモノ(頭部)がついていたはず。
・・・う〜ん、まだまだ分からないな。
エウレカを避けている様子のモーリス。
一番の年長者だから、エウレカ=人型コーラリアンという話を、ある程度理解してしまったのかもしれない。
そして、エウレカではなく、ストナーと話していたモーリス。きっと、自分の道を歩き出したのだろう。
だが・・・エウレカと「本当の」両親について知ってしまうのではないだろうか・・・。
軍人からゲッコーステイトに変わって・・・そして「今の自分」から変わる決意をしたら、結局昔の自分に戻って来たタルホ。
元に戻っただけと自嘲するタルホだが、エウレカに「変わった」と言われ納得して笑い合う。
1周して、元の所に戻って来てもそれは同じではない。元の所に辿り着くまでの『過程』が存在する。
ん〜・・・ウルトラQの23話を彷彿とさせるなぁ。というか小中千昭は意識して書いてる気もする。
変わっていく事に喜びをおぼえるエウレカ
変わってしまった事を悲しんでいた昔とは大違いだな。
ただ・・・変わった事を喜べるのは、今が幸せだからで、不幸な時は変わってしまった事を悲しむのではないだろうか?
―――ま、最後に不幸が待っていても、『今』が喜びに満ちているのなら、素直に喜ぼう。

タルホ

タルホがホランドに望んでいた事は、現実から逃げない事。
でもそれは「責任を取る」なんていう事じゃなく、「ホランドには『ホランド』で在り続けて欲しかった」だけ。
現実から逃げるなんて「ホランド」らしくないことは、やめて欲しかっただけだった。
服装については、いくつか推論があるけど、要するにタルホにはあんな格好は似合わない、ということではないだろうか?
昔の姿に戻ったタルホは、今までとは全く違った―――正反対の―――姿だった。
つまり、タルホにとって「本当のタルホ」とは、あんな感じの・・・肌が露出してなくて、美人と言うより可愛い姿が素に近いのだろう。
そんなタルホが、あえて「自分とは程遠い」服装をしていたのは、ホランドに「今の姿は本当の姿じゃない」と言いたかったのかもしれない。
もっとも、タルホが言う通り、ホランドは鈍感だから、そんな真意があったとは思ってないだろうけど(笑)

*1:要は自分でバランスをとる機能