交響詩篇エウレカセブン 第29話

エウレカに話したかったこと・・・レイとチャールズのことを話すレントン
だけどその思い出は、悲しみに沈んでいた。何故、二人があんな「終わり」を迎えなければいけなかったのか? ・・・と。
それを聞き、レントンに謝るエウレカ
自分がレントンを「選んだ」から、ホランドは戦い、あんな事になってしまった。
・・・自分のせいで、レントンは辛い思いをしてしまったと。
二人とも沈んでしまうが、レイとチャールズの死を無駄にしないよう、前向きにいこうと決める二人だった。
ホランドの責任・苦労を、一緒に背負うことに決めたタルホ。
その責任とは―――レントンに真実を告げる事。それがどんなに残酷で、レントンを傷付ける事だとしても。
エウレカの正体はコーラリアン!?
月光号は、ある理念を実現する為に「戦争」をしている。―――そしてその戦いを始めたのは、人類の英雄、レントンの父親、アドロック・サーストン
その理念とは―――この大地「スカブコーラル」は「コーラリアン」と呼ばれる知的生命体であり、コーラリアンと人類の共存を目指すものだった。
そして「コーラリアンが知的生命体である」という説を後押しする存在こそが「人型コーラリアン」―――エウレカ―――の出現だった。
つまり、エウレカは「人間」が生み出したモノではなく、世界が生み出したモノで、形態こそ「人」と同じだが、身体構造、そして精神構造は人とは全く違う存在である。
もっと簡単に言うと、エウレカは人間ではない。
だが、スカブコーラルを調査中に、コーラリアンと思われる存在から攻撃―――デューイが言うには、ただの「接触」・或いは脊髄反射―――を受け、政府=世界は「コーラリアン」を敵と認識、対立することに決定。
故に、エウレカを守るという事は・・・コーラリアンを知的生命体と認め、共存を望むのならば、社会という「世界」を敵にまわす事になる。
―――前回、レイがエウレカの事を「化け物」と呼んでいたが・・・確かにコーラリアンが「化け物」であるのならば、エウレカも人型なだけ―――姿が球体ではなく、長方形になった。或いはフラクタルになっただけ―――でコーラリアンなのだから「化け物」と言える。
昔、タルホがエウレカを「世界」と例えていたけど・・・それは比喩なんかじゃなく、本当にエウレカは「世界」なんだな。
ずっとレントンに言えなかった秘密。
それは「自分が人間ではない」ということ。
言えなかったのは・・・レントンに嫌われたくなかったから。
以前なら、知られてもどうでもよかった。・・・嫌われようが、好かれようが、関係無い。自分にはそんな感情無いのだから。
だけど今は違う。
嫌われたくない―――好かれたい。傍に居て欲しい。一緒に話し合いたい。
・・・レントンが好きだから。
―――世界を敵に回すとか、エウレカの正体がコーラリアンだとか、そんなことは関係無い。
何があろうと、エウレカは「エウレカ」だし、自分はそんな「エウレカ」と呼ばれる『存在』が好きだという事実は変わらない。変わるはずがない。
レントンについて調べるため、ベルフォレストにやってきたドミニク。
紆余曲折あったが、なんとかレントンの祖父―――アクセル・サーストンの元に辿り着く。
以前、ドミニクがレントンの実家に行った時、工場が無くなっていたけど、どうやら他の場所でやってるみたいだね。良かった良かった。
なんとかレントンについて聞き出そうとするが、アクセルのペースに乗せられて、上手くいかないドミニク。
結局、何も聞き出せずにバイクの修理も終わり、去ろうとするが・・・ドミニクに礼を言うアクセル。
父親が英雄とか、そんな事は関係無く、一人の人間としてレントンを見て、ずっと友達で居て欲しい。と・・・
そして優しい言葉をドミニクに掛けるじっちゃん。そこにはただ、自分の孫を心配する心優しい大人がいるだけで、世界の命運を分ける事態なんて関係無い様だった。・・・世界に起きている事をある程度知っているはずなのに。
「くっそー! くそっくそっくそーっ!!」
その優しや暖かさに、そしてそんな人達に嘘をついて近づいた事が悔しくて涙を流すドミニク。
・・・デューイの作戦がこのまま進めば、間違いなくあの人達を巻き込んでしまうだろう・・・

参考リンク

今日は何色? エウレカセブン #29「キープ・オン・ムービン」
正直、エウレカが「大地」から生まれた事に気付いていたのは凄いと思う。
だけど、逆になんでコーラリアンがこの星から生まれる事に気付いてなかったのか、不思議でたまらない。
やっぱり、人によって見方は色々なんだね。そして、色んな視点で見る事が出来るエウレカセブンは、やっぱりすごいなぁと思った。
ただ、星から生まれたモノ、全てがコーラリアンではないだろう。
例えば、人間が子宮内で細胞を増殖させ、赤子を産めば、その「赤子」は人間だ。
しかし、自分の爪が伸びても=皮膚の一部が細胞分裂によって増えても、それは人間ではない。
そしてその爪を切ってしまえば、すでにそれは「人間の一部」でもない。
つまり、スカブコーラルという肉体から生まれた全てのモノが「スカブコーラルの分身」→コーラリアンというわけではない、ということになる。
―――ただ、哲学的に言うと、「どこまでが人間で、そこから先が人間ではないのか」という問題が出てくるし、それをそのままコーラリアンに置き換える事も出来る。
エウレカセブン レビュアーズ