天保異聞 妖奇士 説九

可愛がっていたって、そういう意味かよッ!
宰蔵の父親は、親心で宰蔵を舞台に上げていたわけじゃなく、己の欲望を満たす為にやってただけか。

狐と「面の妖夷」は関係無いとの事。
――『狐』と雲七の言葉を総合して考えると、妖夷達は昔・・・『神』が居た頃から存在している模様。
そして、超常の力を持つ妖夷も、昔の人にとっては『神』と等しい存在だった。
つまり妖夷から『神』となったモノもいて・・・『お稲荷』もそれに含まれるのか。

『面』は宰蔵のモノ?
あの行動が変身願望を叶えているのなら、宰蔵の望みは父が望んだ「男」になる*1ことと、自由に『舞う』ことか。
だが、『面』=『無慈儺(むじな)』を生み出したのは宰蔵の願望だとして、何故「それ」が今此処に在るんだろうか?
・・・なんか、妖夷の肉=人魚の肉って感じがしてきた。もしくは麻薬。*2
妖夷の肉はとても美味しい。
それ故、食したが最後、他の物など食べられなくなる。
・・・そして「肉」を得る為に奇士となる。
アビと江戸元閥は何故食したか分からない。流動往壓は異界にいた頃に「自分の意思で」食べた。
だが宰蔵は――小笠原放三郎に食べさせられた!
宰蔵の『舞』を知り、奇士に入れる為に放三郎はやったんだろうけど・・・外道じゃないか?

今回のタイトルに対して一言。
確かに『表』という文字は『面』という違う表記がある。
ということは、「表」に対して「裏」がある様に、「面」の表記の方も「裏」があるんじゃないのか? ――その事を初めて疑問に思った。
それが今回の『怨』なんだろうけど・・・意味が分からない。
そもそも『面』という字にどんな意味が込められているのかが解らないからなぁ。

*1:武芸に秀でているのは、宰蔵の『男』のイメージがそうなんだろう

*2:これは当初から在ったイメージだけど