獣王星 第10話

今回は伏線が一気に発動。
・・・でも、サブタイトル通り、トールにとっては悪夢に等しい。

50年後には、バルカン星系の人類は絶滅してしまうと「告知」された科学者や政治家。
まさにラグナロク。だから北欧神話の名が付けられていたのか。
「キマエラ」というのも『獣』ではなく『合成獣』という意味だったのだろう。――遺伝子細工の。
あと、人類の命運を賭けた計画を、自分の欲望の為に無理矢理進めたりするのも『オーディン』らしいな(笑)

明かされるトールの正体。
トールは「ラストチャイルド」と呼ばれる、「生きる」事に特化した人間だった。
唯一テラフォーミングされておらず、自然分娩が行われているキマエラ。
その惑星で一番「生きる」事に長けた者――獣王。
彼等の遺伝子を掛け合わせ・・・100年もかけて創り出された存在
それが「ラストチャイルド」。
今までの獣王が持ち得た身体能力、カリスマ性、・・・生存本能。
それら全てを受け継いだ「ラストチャイルド」の能力は、母親に愛される為に、実子であるラーイと同じ姿に「擬態」する程。
だからトールは「女神に愛される」と言われる程、異常な強運=「力」で生き延びてきた。

トール達をキマエラに送ったのはラストチャイルドの最終実験で・・・それを反対したイヴァ*1は殺され、ラーイは巻き込まれただけ。
――家族が殺された原因は「自分」だった。

生きる為に特化した肉体。
だけど、遺伝子を弄っても細工出来なかった、ラストチャイルドの最大の弱点――「人」としての心。
全て―――自分の運命は他人に握られ、己のせいで家族は殺された事―――を知ったトールの理性は、「生きる」事を否定した。
しかし、ティズに支えられ、共にキマエラで生きようとするトール。
――「生きる」為に必要不可欠なモノは本能ではなく、ましてや優秀な遺伝子でもなく、「生きようとする意思」ということか。

どんな事をしてでも地球に行く覚悟を決めているサード。
トールに「地球に帰ればいい」と言われ、言葉を詰まらせた二人。
・・・地球では一体何が起きている?

ロキ博士の反対を押し切り、自転加速装置を発動させるオーディン
キマエラにちゃんとした昼と夜を造り出す装置だが・・・その為にキマエラに与えられる影響は大きすぎる。
要は、すでに人が住んでいる惑星をテラフォーミングするって事だから、無茶というか非道いというか・・・。

*1:双子の母親