シムーン 第5話

ずっと誰かの言いなりで、自分の意思など感じていなかったリモネ。
・・・皮肉にも、前回の事で恐怖が生まれ、そこから自我が芽生えたか。
死すとも、操縦桿から手を離さない異常な執着心。
そして――肉や骨を切断する音。コックピットの夥しい鮮血。
お嬢様育ちの他の奴にだって耐えられない事なのに、幼い子供がそんな現場に居合わしたら・・・そりゃトラウマになるわな。

精鋭だったコール・テンペストは、今やボロボロ。
それを直す為に上層部からドミヌーラが送られてくる。
そして彼女が選んだ次のレギーナは・・・リモネ。
ドミヌーラはリモネの事を全て分かっていると言うが、はてさて・・・

リモネは、親に言われシムーン・シヴュラになった。
パルに言われるがままに動いてきたが・・・一度、我を通しリ・マージョンを試みるも失敗。
その時にパルを亡くし、それがトラウマになっていた様子。
前回の事件によりそのトラウマが再発。そして自我が無い事に苦悩する。
共犯者であるアーエルに相談するが・・・「自分で考えろ」と依存する事を拒否されてしまう。

リモネの事は何でも知っている。あの事も・・・。そう嘯くドミヌーラ。
きっと、あの事って練習時代の失敗の事だろうな。
腕を切り落とした件については全く知らないだろうし、想像だにしてないだろう。

ドミヌーラとリモネの相性を確認する為に、二人とフロエ・アルティが飛行訓練に出発。
だが戦車隊と遭遇。戦闘になるも・・・トラウマが甦ったリモネはリ・マージョンが出来ない!
やむなく撤退しようとするドミヌーラ。しかしアーエルが助けに来て、ひとまず難は乗り越える。
「私の言う事を聞きなさい!」
ドミヌーラのその言葉に、アーエルの「自分で考えろ」という言葉を思い出す。
リモネのやりたい事、本当に望むものは「誰よりも完璧なリ・マージョン
以前は下手な奴のせいで失敗したが・・・アーエルが居れば出来る!
そして見事「銀のリ・マージョン」を成功し、戦車隊を壊滅させる。

それを見てドミヌーラはリモネが天才という事を再認識するが・・・リモネの目にはアーエルしか見えていなかった。
そして、リモネが選んだパルはアーエル!
まぁ・・・・アーエルは「我」がそうとう強いからなぁ。リモネが惹かれるのも無理はないか。

それにしても・・・たったあれだけで、数ある戦車隊を全滅させるんだから、やっぱりシムーンは凄いよな。
そりゃ隣国も欲しがるわ。