ノエイン もうひとりの君へ 第10話

憑き物が落ちた様な美有樹。
これでユウの家庭も安心だな。進路も自分で決めるみたいだし。
・・・だけど、今はそんなこと比較にならない程の問題が迫ってるんだよな・・・

イサミは「黒いマント」がトラウマになってる様子。
まぁ、あんな事があったんだから、普通トラウマになるよな。子供じゃなくて大人でもなりそうだし。

カラスの目の前で繰り広げられる、ハルカ達の日常。
ハルカが居て、アイとミホが居て・・・自分とイサミ―――フクロウ―――が居る。
もう二度と手に入らない黄金の日々が、目の前にある。
ユウ達を見るカラスの表情は、懐かしさと寂しさ、慈しみと羨望が混じった様な感じだった・・・。
状態が安定してきたらしいアトリとトビ。
――「この時空に存在するモノ」として認識≒因果律に内包されたのか?
だが、あくまでも「竜のトルク」を抹殺しようとし、その為に周りの人をも殺そうとするアトリ。
・・・もう見境がないな。こんなに他の時空に干渉したらやばいんじゃないのか? 実際トビも止めようとしているし・・・。

アトリに追いつめられたユウとイサミを助けたのはフクロウだった。
二人を見つめるフクロウの眼差しが、カラスと同じ様に見えるのは気のせいだろうか・・・

「絶対臨界阻止委員会」は量子テレポーターを現実のものにするための機関らしいが――なんか名前と計画内容が合わない気がするな。
あと周辺への被害なんて気にせずに実行しようとしている奴が居るけど・・・『未来』が荒廃してるのって、こいつのせいじゃない?
・・・たぶん、量子テレポーターの実験を強行→失敗して、デコヒーレンス現象が起きたんだろうなぁ。

もはや時空への影響など気にせずにスピン兵器を使うアトリ。
勝手に時は止まってるし、「ウロボロスの環」は出てるし――やばいんじゃない?
現に、時空移動してきたクイナのデータ(肉体)がまた欠損してるし・・・
しかし、無理に力を使った為に、この時空から消えそうになるアトリ。もう長くないな・・・

ハルカは「竜のトルク」の力によって、フクロウの正体がイサミだと気付く。
ハルカを拒否するフクロウ――イサミ。・・・それは「恐怖」ではないだろうか?
「竜のトルク」を「ハルカ」と思ってしまう恐怖。・・・それを「ハルカ」と認識してはならない。そう思ってしまったら・・・もう犠牲にする事なんて出来ない。

アイやミホが生きている世界を守る為に戦うフクロウ。他の何を犠牲にしてもかまわない。
・・・だけど友だけは犠牲に出来ない。「ハルカ」の犠牲の上に成り立つ平和など望まない。
――そんな世界は、アイやミホも望まないだろう。
故に、友を守る為に友(ハルカ)を犠牲にするという矛盾が生じてしまう。
それは考える事を止めていた事だったのに・・・