ARIA The ANIMATION

初めに一言。自分は「天野こずえ」が大好きだ!
ガンガンを創刊号から買っていた事もあり、読み切りの頃からすでにファンだった。
――ここまでで分かる人は分かるだろうけど、「天野こずえ」は昔の作風の方が好きなんだよなぁ。
人がよく死んだり、救いがある様な無い様なラストの「天野こずえ」作品が好きなんだよ〜。あと、人の心の黒い部分とかが描写されてる作品とかが。
夢空界」や「アース」がグッとくる。もう、「空の謳」なんて最高だね!
そんなわけで「浪漫倶楽部」よりも「クレッセントノイズ」が好きな自分にとっては、ARIAより、クレッセントノイズを描いて!という感じなんだけど、無い物ねだりをしてもしょうがないのでARIAの感想に。
なんだかんだ言っても、ARIA(AQUA)もやっぱり「天野こずえ作品」だと思う。
某所にも少し書いたけど、ARIAにも人間の負の感情が描かれている。
妬みや劣等感、無知ゆえのすれ違い・・・ARIAには、生身の人間が描かれている。
そして漂う暗さ―――文明の黄昏を迎えている地球(マンホーム)
たぶん、マンホームに暮らしていると、「人間らしさ」が分からなくなってくるんだろうなぁ・・・きっと、ロボットの様な暮らしなのだろう。
忘れちゃいけない「ダーク」ファンタジー
人間が「存在を否定」した故に、その存在を観測出来なくなった「存在」「EG」で言うところの、科学の相補正的存在であろう「妖怪」。
彼等の世界は「科学」に生きている我々とは位相がずれている。彼等の世界に立ち入ってはいけない。
しかし主人公である灯里は、科学=地球を否定した為か、幻想に想いを馳せる為か、彼等に惹かれ、彼等の世界に入りかける事がある。
・・・間違いなく、その世界に入ったら、我々の因果からは抜け出てしまうだろう。人はその現象を「神隠し」と呼ぶ。
また「空の謳」「アース」「クレッセントノイズ」等「天野こずえ」作品に多々見られるSF
それらも、サラマンダー(気候制御ユニット)やノーム(重力制御ユニット)などによって説明され、物語の根幹に近い場所に在る。
特にノームの説明は相対性理論が出てきて興味深い。
結局、天野こずえの作風に共通する部分は沢山あるAIRA
違うのは、常に救いが描かれ、ポジティブに締められるところだろう。
・・・そこが個人的には微妙なんだけど(笑)
まぁ、色んな所で良作と呼ばれるのも分かるなぁ。結局自分も見てるし。
ま、今回はこの辺で・・・