零のかなたへ

んで、本編。
とりあえずツッコミどころから。
・・・俗に言う「今時の若者」じゃないんだから、「空襲警報」とか「輪廻」については知ってると思うぞ。まぁ見ている「今時の若者」用に入れたセリフなんだろうけどさ。(だって、今時の中高生ってアメリカと戦争した―――太平洋戦争を知らない馬鹿が居るんでしょ? 小学生だと天動説を信じてる奴とか)
あと、始まってから気付いたんだけど、これテレビ朝日なのね・・・大丈夫かなぁ。
―――と思っていたら、大丈夫だった!
たぶん元が、『右』寄りなんだろうなぁ。んでテレ朝が『左』だから、ちょうど良いバランスになった模様。
シーンだけ見ると、右に寄った内容や、左に寄った内容が所々あるんだけど、全体を通してみれば平均化されていた。
制作に関わった奴GJ! あとは、死んだ奴は靖国に行くという事を付け加えて欲しかったな。

本編

漫才コンビが事故によってタイムスリップしたのは、太平洋戦争の真っ直中の日本。
そこで当時の軍隊の厳しさ=酷さや、日本が戦場になっている事を目の当たりにする。
当初は軍規の厳しさや「神風特攻」に対して理解出来ず、軍を抜け出そうとしたり、「神風」に向かうを愚か者扱いする。
しかし、命の尊さを知りながらも特攻に向かう者や、己が存在した証を守る為に向かう者を見て、少しずつ「神風特攻」とは、ただの自爆ではないと考え始める二人。
・・・そして彼等が、口では「天皇陛下の為」と言いながらも、本当は愛する者や故郷の為に隠しきれない「恐怖」と闘いながら、「神風特攻」という愚かだが残された唯一の手段で戦っている事を知り、肯定は出来なくとも、否定する事が出来なくなる。
それと共に、自分達が知らないはずの零戦の操縦方法や、感情、走り方などから、「この躰は自分達の物ではない」と感じ始める二人。
そして片割れの金太は、自分が乗り移っている肉体―――福元が自分の祖先だと知り、先祖の思いを遂げる為、祖母や「現代の日本」という愛すべきモノを守る為に特攻隊員に志願する。
そしてそこには、「福元は死に。その思いを祖母が受け継ぎ、金太に託した」という事実を守る為―――タイム・パラドックスを防ぐ為という目的もあった。
田代も「今の肉体は岸田の物である」と確信し、岸田の想いを遂げる為、タイム・パラドックスを防ぐ為に、あと2日で終戦する事を知りながらも、特攻隊員に志願するのであった。
一瞬、特攻して終わりという後味が悪い結末を想像したけど、田代が(きっと金太も)現代に戻ってこれて一安心。
だけど金太は事故が元(本当に?)で死んでしまったので、後味は悪いものがあるな・・・
ハッキリ言って、ここまでのモノとは期待してなかった!
かなり面白かった。改めて言おう、制作者GJ!
・・・って原作・脚本の「今井雅之」って、「お金がない!」のヤクザの人じゃん!! 俺この人大好きなんだよな〜
今井雅之って、脚本もやってたのか・・・今度からチェックしようっと。