読売新聞 試写室 「零のかなたへ」

戦争を描くドラマが陥りがちな弱点とは何だろうか。「自分たちは被害者」という視点を強調しすぎる傾向ではないか。
<中略>
"敵国"の兵士にも、愛する家族や故郷があるという当たり前の事実に触れる視点があったら、より説得力あるドラマになったのでは、と感じたのだが……。

読売新聞 10日付け試写室より

確かにその傾向はあると思う。
なんせ左翼は戦争ドラマを滅多に作らないし*1、中間派は腫れ物に触る様にしているから、これまた作らない。そうなると一番多く作るのは右翼側だけになるので、そういう状態になっていると思われる。
しかしこのドラマの場合は「敵国の兵士にも〜」というのは、全く当てはまらない。
敵兵士がアジア諸国の者ならまだ分かる。しかし零戦ということは、敵はアメリカなのだ。
彼等は自国を守る為ではなく、日本人(黄色人種)を征服しようと来ているのだ。
本当に守りたいのなら、わざわざアジア諸国なんて遠い所に来ないで、自国の周辺だけ守っている方がよっぽど家族や故郷を守れる。手を引こうと思えば引けるのだ*2
確かに中期等の戦争ドラマなら、侵略する側(日本)、侵略される側の両方を描いた方が説得力が増すと思うが、アメリカ軍を描いても日本の正当性を増してしまうだけだぞ?
ABCD包囲網*3や、黒人・黄色人(カラード)への侮蔑心。白人の傲慢さ。
そういったっものが強調されるだけではないか。
きっとこの文章を書いた人は左翼なんだろうな〜

*1:たいてい作るのは、戦争の悲劇のみをクローズアップしたモノだけど

*2:もちろん、下の兵士は引きたくても引けないだろうけど、元より徴兵制なんて無いのだから「兵士」にならなければ良いだけの事

*3:オランダ(Dutch)は後に交渉によって貿易できたようなので、「D」は微妙なところ。
それと歩調を合わせたわけではなく、各国が独断でやったとの事。
まぁ、偶然包囲網になったって感じかな。偶然でもやられた方はたまったもんじゃないけど・・・