劇場版 鋼の錬金術師

だ〜か〜ら〜 自己犠牲はただの自己満足(オナニズム)だってばっ!

核爆弾

プロローグはアルとエドが旅をしていた時の話。
一応この世界にも物理学者がいたんだね。でも、錬金術―――魔法の域に達している科学力がすでに存在している為に、用無しらしい。
・・・でも色々な物理法則は、錬金術にも必要じゃないの? それとも、それも『錬金術』というカテゴリーに入っちゃってるのかな?
あと、少なくともホーエンハイムは光子の存在を知っていたと思うんだが・・・。なんせ「光のホーエンハイム」でしょ?
ああ、この世界にもウラニウムはあるんだね。まぁ当然か。
・・・ついでに放射能もあるんだね・・・採掘者死にまくりじゃん・・・
結局、核爆弾を持ってたキャラは、人体錬成を試みて門の中に連れて行かれてしまいました。
はい、伏線です。

世界からの断絶

「向こうの世界」に心を囚われたままのエド
・・・確かにエドからしてみれば、『我々の世界』は地獄だろうな。
周りの人間は全て、自分と違う歴史、価値観、常識を持っている。それなのに、自分が「よく知った」相手が居る。
顔も同じで、性格も通じる所がある。だけどエドの事を全く知らない。・・・それはまるで、「永遠の世界」のようではないか。
エドは常に孤独感を感じ、『世界』との繋がりを感じられなかったのだろうな・・・
ちなみに、俺はこの辺りはずっと目を潤ませていました(T_T)

世界蛇

予告編で見て、99%そうだと思っていたが・・・
やっぱりこっちに辿り着いていたかっ! エンヴィー!
確かにこの姿なら「ドラゴン」だと思われても納得いくな。
エンヴィーを「大いなる蛇」として捕獲していくトゥーレ協会。
大いなる蛇―――やはり、ヨムンガルドの事を指しているのか?
魔法陣(実は錬成陣)の周囲をエンヴィーで囲み、「向こう側の世界」=錬金術世界との触媒として魔術を行使、向こう側との門を開ける事に成功するエッカルト。
エンヴィー=ヨムンガルドに己の尾を銜えさせている事から、魔法陣内を隔離されたもう一つの世界として存在させる意味合いがあったのかも。

錬金術世界

エドを探す旅の途中のアル。
一瞬、錬成陣無しで錬成したかと思ったが、ロイ・マスタングと同じように手袋をしていただけだった。
どうやら肉体と魂の定着が不安定らしく、そのおかげで魂の一部を物体に込めるという離れ技を見せる。・・・やっぱりアルも天才だよ。
自ら志願して、北方にて一兵卒として軍役中のロイ・マスタング
あれ以来、錬金術は使っていないとの事。・・・使おうとすると、左目に自分のせいで亡くなった人々が映るらしい・・・
・・・結局、マスタングが目指したモノって意味無かったもんな。
登りつめようとした上層部―――大総統は、政治的な理由など無く戦争を起こしている存在だった。
つまり・・・キング・ブラッドレイを殺してしまうだけで、「無益な戦争」は起こらなくなるのだ。
それを成したマスタングに、目的など無くなってしまったのだろう・・・

繋がる世界

錬金術世界に現れる現代世界の兵士達。
一応動いてはいたが、中身は潰れていた。・・・なんかボソンジャンプっぽい。
アルが指摘するには、魔法陣が不完全だった模様。
アルの血に反応して、再発動する魔法陣。
どうやら現代世界では、錬金術世界の人間の血に反応するらしい。現代世界の人間の血に反応するかは不明。

存在証明

ロケットの研究に人生を賭けるハイデリヒ。
・・・病弱ではなく、結核等の致命的な病に冒されていたのか。
ハイデリヒ曰く、自分の生きた証を、この世界に残したい。
その言葉に、この世界を『悪夢』の様に捕えているエドは、何も言い返せなかった・・・

アルとラース

微かに『門』の事を思い出し、ラースと共に巨大都市遺跡へと向かうアル。
『門』を開ける為の錬成陣は分かるが、錬成反応は起きない。
やはり「赤ん坊」等の触媒か、人体錬成等の大量にエネルギーを必要とする錬成が必要らしい。
アル達の前に突如現れる白い肉塊。その正体は醜く肥大化したグルトニー!
お前まだ居たんか・・・。こいつが生きているって事は、やっぱダンテは死んじゃったのかな?
自らを犠牲にして、グルトニーを錬成陣の中におびき寄せるラース。
そしてアルに、自分とグルトニーを錬成して『門』を開けと言う。自分はこの為に来たのだと。
・・・ラースはずっと母親―――スロウスの元に行きたかったんだろうな。
だけど、自分は生き残ってしまった。その存在を祝福してくれた母の為にも自殺は出来ない。
その狭間で今まで生きてきたのだろう。だから、ずっと探していたのだ。死ねる理由を。
そしてアルは、覚悟して錬成をする。

ホーエンハイム

エドの記憶を読みとり、魔法陣を発動させようとするノーア。
だがやはり、現代世界の人間では、錬金術世界の人間の様にはいかず発動しない。
そこへ計画を止める為、乗り込んでくるエド
しかし、そこで見たものは・・・エンヴィーを抑えつける為に、口に銜えられたホーエンハイム―――父親の姿だった。
ホーエンハイムは現代世界の科学と魔術で、どうにか『門』を開ける事が出来ないかと調べていたらしい。
・・・息子を元の世界に帰してやる為に。
自らの血と生命、そしてエンヴィーの躰を触媒として、完全な「向こう側への門」を作り出すホーエンハイム
そして彼の長い一生は、ここで幕を閉じた・・・

交叉する並行世界

現代世界と錬金術世界。2つの世界が同時に『門』を開いた為に、「向こう側への通路」が出来上がってしまう。
錬金術世界へと行き、その知識を得ようと企むトゥーレ協会。
ロケットを用いて、通路内の「黒い触手」を振り切るつもりらしい。
「向こう側」へと旅立っていく巨大ロケット。それを追う為に、ハイデリヒの協力で一人乗りのロケットで門へと向かうエド
だがハイデリヒは、エドを見送った後、ヘスによって殺されてしまうのだった・・・

エドの帰還

黒い触手を振り切り、出口へと向かうエド
そしてエッカルト達が乗ったロケットも通路を進むが・・・どうも黒い触手に侵されている様子。
ハウスホーファーの計算は間違っていたようだな。
門を通り、錬金術世界へと出るエド。それに続く様に現れる巨大ロケット。
その姿は至る所が黒色化しており、まるで生物と物質が合成された様な姿だった。
内部も似た様なもので、エッカルト以外は全員死亡してしまった模様。エッカルト自身も黒い触手に侵され・・・人と化け物の中間の様な姿になっていた。
その代わり彼女は力を得ていた。―――魔術という力を。
胴体着陸したエドを出迎えるアル、ウィンリィ、シェスカの3人。
しかしアルは、エドに「どうやって門を開いた」と訊かれ、罪悪感に駆られ逃げ出してしまう。
追おうとするが、エドの右足は壊れてしまっていた為に、追跡不可能に。
ウィンリィがずっと持っていたエド用のオートメイルを着け、外に出たエッカルトとアルを追いかけるエド

戦い

ロケットからの攻撃と、陸上部隊によって大打撃を受ける軍司令部。
アームストロングが駆けつけ善戦するが、敵の数が多すぎて挟み撃ちになるホークアイ達。
その時、突如巻き起こる爆発!
颯爽と現れ敵を撃破、仲間達に的確に指示を下すのは、やっぱりこの人ロイ・マスタング
やっぱり格好いいなぁ。漢だねっ
異変の事を聞き、独自の推理で首都まで来たらしい。
・・・とは言っても、さすがに「並行世界からの侵略」だとは気付いていないみたいだな。『門』の事も知らないし、無理もないか。

望み

破壊された街並みに、呆然とするアル。
「全ての責任は『門』を開いた自分にあるのだろうか?」とエドに問い掛ける。
アルは兄に会いたかった。ラースはアルを手伝いたかった。ノーアは自分の『居場所』が欲しかった。ハイデリヒは存在した証が欲しかった。ホーエンハイムは息子を元の世界に帰してやりたかった。エドは元の世界に戻りたかった。・・・みんな『破壊』なんていう結末は望んでいなかった。
だがどうであれ、自分達の望みがこの結末を招いたのだ。だからこれは皆の責任だ。―――自らの罪を認めるエド。そしてアル。
その責任をとる為にエッカルトを止める決意をする二人だった。

化物

マスタングの協力を得て、エッカルトの元へと辿り着くエド
そして問い掛ける。知識を求めたはずなのに、なぜこんな破壊を求めるのか。と
エッカルトの理由・・・それは恐怖だった。
最初に『門』を開いた時に感じたのだろう。錬金術世界から侵略されたら滅びるのは自分達だと。
錬金術などという、まるで魔法の様な力を、彼等は当たり前のものとして使っている。ましてや知識を求める原因となった核爆弾などという、恐ろしい兵器までも所有している・・・滅ぼされる前に、滅ぼさなくては。
エッカルトの抱いた恐怖は人間の根元的なモノ―――理解出来ないもの、異質なものへの恐怖だった。
「俺たちだって人間だ!」そう叫ぶエド。だが現代世界に生きるエッカルトには届かなかった。
・・・結局、アルの機転によってエッカルトを止める事は出来たが、後味の悪いものを二人は感じていた・・・

門の破壊

二人は、これ以上並行世界からの侵略など無くす為に『門』を破壊する事を決意する。
しかし、その為には誰かが現代世界に行かなくてはならない。―――そしてそれは、この世界に帰れなくなる事を意味していた。
だが何の迷いもなく、現代世界に『帰る』事を決意するエド
そしてアルとマスタングを残し、独り去っていくのだった・・・
現代世界に帰還する巨大ロケット。
そして中から現れたのは―――漆黒の『化け物』だった。
ノーアの元へと迫る化け物。
しかし兵士に撃たれて動きを止め、黒い外殻が取れる。その下から現れたのは・・・エッカルト
・・・並行世界へ侵略をした魔術師の、あっけない最期だった。
結局来てしまったアルと一緒に門を破壊した様だが・・・本当に破壊出来たのか?
大体、門を壊してしまったら、現代世界のエネルギーが錬金術世界に行かないので、錬金術世界の人は『錬金術』を使えなくなるのではないか?
というより、そんな人智を越えた物を三次元の定理だけで破壊出来るのか?
・・・その辺りを考えると、結局『門』は破壊出来なかったけど、『通路』は塞がった。といった結末だったのだと思う。

エピローグ

如何なる世界に居ようとも、世界と『自分』という存在を切り離して考える事は不可能。
なら、今居る世界を受け入れて生きていこう。
―――そして二人は「現代世界」の人間として生きていくのだった・・・
・・・で終わってるけどさ、本当にそれで良いのか?
絶対にウィンリィは寂しがってると思うぞ。ばっちゃんだって、マスタングだって、アームストロングだって・・・色々な人が心配していると思うぞ。
エドはやむを得ない事情があったけど、アルのは完全に自己満足だもんな。
いつか兄離れした時は後悔すると思うなぁ。
それに、錬金術世界の誰かが、二人を連れ戻す為に門を開けるような気もするし・・・
やっぱりこれだよなぁ。

結論

映画自体はすんごく面白い!
アニメ版から培ってきた内容をギューギューに詰め込んである感じで、とても濃い内容。でもそれ故にアニメを見てなかった人にはさっぱり分からないだろうなぁ。
それと・・・結末が丸く収まってない。
まぁ二人の人生という「物語」から見れば、1つのエピソードに過ぎないのだから当然といえば当然なんだろうけど・・・(エルリック兄弟からしてみれば、これで「終わり」というわけではないのだから)
でもやっぱり、これだけ考えさせられるものなのだから、面白いには違いないということで。
2・3回は見たかったな〜