バタフライ・エフェクト

というわけで、見てきました。一日だから1000円だしね。
とりあえず感想としては・・・予想外つーか、予想以上
やっべぇ めちゃくちゃ面白いよ。これもっと一般的な映画館でもやってくれないかな〜 まぁたぶん池袋とかでやったら客の半数は途中で帰るか、終わった途端帰るだろうけど。
だって予備知識がないとさっぱり分からないもん。
あと、ラブ・ストーリーを期待してるんなら見るなって感じ。SFとファンタジーの間の子って感じだね(つーかなんであれ、一つのカテゴリーのみに作品を当てはめるなんて事がナンセンスだろうな)。
とりあえず少しでも気になった人は、他の人の感想を入れないで、映画を観た方が絶対良い。
というわけで詳しい感想は以下に反転して書きます。

ネタバレ含む感想

ぶっちゃけ玩具修理者 (角川ホラー文庫)収録の「酔歩する男」とほとんど一緒。
パンフレットの最後に、梶尾真治って人が「聞いた事もないタイムトラベル方法」って言ってるけど、それは「酔歩する男」を読んでいないだけなんじゃ・・・
もちろん、「酔歩する男」とバタフライ・エフェクトでは方法が違うけど、ある種似た様な物だし。
ただ、初めの方で「別の作品で見た事がないか」確かめて、あったら没にするって書いてあったが、それは否定しない。
確かに「酔歩する男」と似ているが、玩具修理者アメリカで出てるとは思えないし、そもそも脚本の方が玩具修理者よりも先だろう。
だからこの脚本家二人と、小林泰三は偶然同じ様な場所にたどり着いたのだと思う。断じてパクリや、ましてやオマージュでさえない。
まぁ、それこそ・・・集合無意識ってやつの導きかもしれないけど。

タイム・リープ或いはリプレイ

見に行った友人とも話したけど、エヴァンが過去にいくキッカケは何だろうか?
日記を見て、その時の事を思い返すだけでいけるのなら、何も無くてもいけるはずだ。
ではその「時」の象徴だろうか?
いや、写真やビデオなら「その時」の物体の位置を転写しているから分かるが、日記はあくまでも後から書いた物だ。
その理論だと、日記を読み返すと「日記を書いている時」に戻る事になる。
ここが確立されてないから、ファンタジーなんだが・・・ たぶん「その場面と関連がある物」がキッカケなんだろうな。簡単に言うと「街」で言うザッピング出来る物が(笑)

「酔歩する男」との違い

「酔歩する男」の小竹田とエヴァンの決定的な違いは、エヴァンが「新たに確立された世界の過去の記憶」を持っている事だろう。
小竹田はそれが無かった為に、だんだんと「悪い可能性」が増えていった事を見ると、エヴァンの場合はとてもラッキーだろう。
なんせ多少の食い違いはあるだろうけど、その世界で普通にやっていけるのだから。
しかしそれは諸刃の剣で、以前の世界の記憶+今の世界の記憶を脳に入れたせいで、脳に負担がかかり、エヴァンの寿命が縮まり、結果的には「過去に戻る」事の回数が制限されてしまったのだから。

結末

結局、ケイリー(達)を救う為には―――最大の過ちは、エヴァンと出会った事なのだろうか・・・
もちろんエヴァンが皆と出会っていた場合でも、幸せになる道はあったのだろう。
ケイリーの父親を初めの様に脅し、トミーを普通に教育させる。次にダイナマイトに近づく親子を止めて自分も回避する。これでたぶん大丈夫だと思われる。しかし一番の問題である、ケイリーとトミーの父親がどういう行動を取るか予想は出来ないし、ダイナマイトの時だって上手く止められるか分からない・・・
やはり一番簡単な方法は、それら全てが起きない様にすることだ。そしてケイリーがあの父親と一緒に居る事を選んだのはエヴァンが居たから・・・
・・・やはりエヴァンに対してケイリーが好意を持たないようにするのが一番だろう。・・・しかしなんとも悲しい事だ。
最後すれ違った二人が、新しいラブストーリーを作る事を望んでやまない。
でも、アナザーエンディングだと、もっと非道い結末らしいしな・・・

追記

梶尾真治って「黄泉がえり」の人だったんだ・・・知らなかったよ・・・
でも読んでないんじゃないか疑惑はそのままで