みえるひと

以前青マルジャンプに載っていたやつの変形ver。
とりあえず主人公が若くなっていたけど、これは正解だったと思う。
青マルの時は中年(?)で円熟した感があったけど、若くなった事で迷いや葛藤が表れ、より感情移入できる様になった。
友達に言われて気付いたけど、青マルを読んだ人も楽しめるよう工夫してあって驚き。
悪霊のおじいさんが、青マルの時の老警官にそっくりというか狙って似せてあって、無条件に良い人だと思い込ませられる。(実際、自分も老警官に対応したキャラだと思って、主人公の知り合いか姫乃を庇って傷つく役だと思っていた・・・)
ストーリー的には相変わらずギミックが面白い。
読み返してみると、確かにおじいさんと姫乃が会話をしているシーンは実際には無いし、おじいさんが姫乃を大声で呼ぶ時は、主人公しかリアクションを起こしていなかった。
何て言うか、この作者は面白いな〜と思う。マジで。
それと女性の霊が良い感じだった。
結局噂を広めたのは、自分の様な犠牲者をこれ以上出さない為なんだろうなぁ。良い人だ。
それにしても、霊の説明を読んでいると、この前読んだゼノサーガの攻略本に載っていたグノーシス*1を彷彿させる・・・
こちらからは触れる事が出来ないのに、向こうは一方的に触れられる。
人間の脳にのみ知覚する事は出来るが、干渉する事は出来ない。故に高次元の存在という説もある。(正確に言うと、読み切りの方は「普通は見えないが、一回見えると観る事が出来るようになる」とのことなので、微妙に違うが
などの類似点がある。まぁグノーシスが霊的存在っぽいから、似てるのも当たり前なのかも知れない。
是非ともこの作品を連載化して欲しいなぁ。

個人的考察

みえるひと』の場合は、グノーシスと違って誰もが存在しないと思っているからではないだろうか?
グノーシスは誰でも「居る」と知っている。だから普通に観測できる。
しかし悪霊は、ほとんどの人が「居ない」と思っている。だから目に映っても脳が居ないものと処理してしまうのではないだろうか?
だから1回見れば、脳は「居る」ものと処理するようになり、実際に見える様になるのではなかろうか?
つまりは脳の認識と錯覚の問題。

*1:敵の総称