ゼーガペイン #16

データがバーストするのを防ぐ為に起きるリセット。
だが、例えリセットが行われても世界は永遠ではない。
データは「情報」だから、永遠に在り続けることが出来る。
しかし、そのデータが保存されているモノは「物質」であるが為、時間が経つにつれ劣化してしまう。
それに・・・完全なリセットが出来ていないのか、データでは無い「何か」が関係するのか分からないが、デジャ・ビュを感じる者がいる。
世界は段々と歪んでいき・・・いずれは限界が来るだろう。

初期で十凍京に警告していたのは、「以前」の『十凍京』だった。
セレブラントとして覚醒してしまった己を後悔し、次は目覚めない様に残したメッセージ。
・・・だが、皮肉な事にあのメッセージが京に疑問を抱かせ、覚醒を促したのだろう・・・
「最後」の思い出に、皆と騒ぐ京。
高校に入ってから育んだ、トミガイやクラシゲとの絆。
和解し、また笑い合える様になった3人組。
5ヶ月間で育んだ、言葉に出来ない「何か」は――たった一瞬で消滅してしまった。
2回目の入学式。
トミガイとハヤセは、「真実」を忘れ一般人に戻り、カワグチは冷たい目で京を見る。
・・・失われてしまった何か。
だけどソレは、京の「心」に確実に刻まれている。
だから皆を守る。復活の、その日まで。

リセット後の世界に組み込まれた守凪了子
――復活は成功した。
だが「人間」としては存在出来ても、正常なレベル――「人」=幻体としてまでは再生出来なかった。
「守凪了子」として在る為には足りない自我=「私」。
普通に生活を送ると、足りないデータからエラーを連鎖し、また壊れてしまう。
・・・しかし、ゼーガペインの中でなら、「守凪了子」のデータが残っているアルティールの中なら存在出来る。
戦う時だけ、十凍京は守凪了子に出会える。
そうして・・・守凪了子から「日常」は奪われた。
このまま消えていれば幸せだったのか? こんな「存在」でも、在る方が幸せなのか?

アンチゼーガ・コアトリクエへの対策=光子の位相を常時変更する事。
言われてみれば確かに。
「光装甲キャンセラー」が全ての光子を無効化するのなら、それは漆黒でなければいけないし、ゼーガペインに届くまでに、かなりQLを消耗してしまう。
だから「光装甲キャンセラー」は特定波長にのみ効果を及ぼしていたんだ。
それさえ解れば、後は簡単か。
そしてアンチゼーガの光装甲を突き破る為に開発された新兵器。
それは「光のドリル」を直接ぶつけるといったモノ。
・・・掌から出した時は「レムリア・インパクト」かと思ったのにっ!!

「戦いの終着駅は・・・何処だ?」
・・・思えば、アビス達も自分の意思など無視され、復元者としてナーガに使われている。
彼等自身は戦いを望んでいるのか? それを想う「心」は在るのか?
・・・意味も分からず「復元者」として戦う事は苦痛ではないのか?