獣王星 第11話

なんとなく思ったけど・・・トールって遠野四季の「体質」に似てるな。
まぁ、さすがにあそこまでの不死性は無いだろうけど。

冷凍保存され、もはや「人間」としては扱われず、優秀な遺伝子サンプルとして存在する歴代の獣王達。
キマエラの人間達が、命を賭けて目指した存在はモルモットだったのか・・・
そしてトールは――そのモルモット達から作られた醜悪なキメラと言ったところか。

オーディンやロキ博士が、そこまでして「ラストチャイルド」を創った理由。
・・・人類は何としてでもバルカン星系で生きていかなくてはならなかった。
何故なら――地球は100年以上も前に消滅していたのだから。
50万年前、キマエラの自転・公転を狂わせた彗星。
運命か神の悪戯か・・・その彗星が衝突し、地球は砕け散った。
――人類に帰る場所など無い。
何を犠牲にしても、バルカン星系で生きる方法を見付ける必要があった。
サードが全てを犠牲にして望んだ結果がこれか・・・
だけどトールが言う通り、「真実を知る事」はサードが自ら望んだもの。
・・・トールや「野童」達には、選択肢なんて無かったわけだし・・・

ザギを殺そうとする、ナイトリングの生き残り。
だが「トールの親友」を庇ってティズが撃たれ、そのまま二人はクレバスに落ちていく。
・・・これは因果応報なのか?
それともこれが、怨みを捨てられず殺し合う、「人間」の醜さだろうか・・・

自分達の生存確率が0%に等しい事・・・それでもトールだけは生きる事を確信し、ワルキューレを破壊するヘザーと兵士達。
これが彼等の、多くの犠牲を出しながら「ラストチャイルド」を生み出した者達のケジメか。

トールを生かす為に―――何を言っても、トールは自分を助ける事を分かっていたから―――サードは自殺して、トールを屋上へ向かわせる。
皆死んでしまい、トールは生きる気力を失うが・・・遺伝子は幻覚を見せてでも、トールを「生きる」方向へ向かわせる。
――前回、「生きる力には、意思が必要不可欠」と書いたけど、トールの場合はタナトス(死)とエロス(生)が「意思」に強烈な影響を与えてるな。
「理性」で死を望んでも、遺伝子が「生きる意思」を与える為の小細工をしてくる。
・・・拷問か生き地獄の様だ。

・・・え〜っと、とりあえず最後が納得いきません!!
サードは死んで、ザギとティズが出てこなかったって事は、やっぱり二人とも死んじゃって・・・過酷なキマエラでトール達は生きていかなくてはいけない。
これ、ゲームだったらバッドエンドでしょ?
2週目とかにティズが殺されない選択肢とか、サードが自殺しない選択肢とかあるシチュエーションでしょ?
面白かったけど・・・最後が納得いかね〜

ところで、最後のシーンでミランシャ*1を思い出したのは俺だけじゃないよね?