KURAU Phantom Memory 第20話

・・・純粋なリナクスは、人類にとっては「悪」なのかもしれない・・・
双子は命というモノを全く理解していない。
―――しかし「命」というものは玩具修理者にもあるように、経験による「思い込み」によってしか理解できない。
だから「人」の心を持ちえない双子―――リナサピアン―――には、一生「命」というものを理解することは出来ないのかもしれない。
この認識問題はイヴォンにも少し見られたと思う。
クラウって、何だかリナクスは全員良い奴だと思ってない?
てっきりダグは、双子のリナクスを庇うクラウに対して怒っていると思っていた。
でも本当は、自分に対して怒りを覚えていた。
クラウが危険にさらされても、何も出来ない自分に対し、怒り、悩んでいた。
しかしどんなに悩んでいても、答えはもうとっくに出ていた。
だから最後、クラウを追おうと体が勝手に動いた時に笑ったのだ。
力が有る無しじゃない。ただ出来る限りクラウの協力をする。
それが答えで、そしてとっくのとうに、そう行動してきたのだから・・・