ソラリス

ソラリス [DVD]

ソラリス [DVD]

テーマみたいなものは、とても面白そう。でも映画(エンターテインメント)としては全く駄目!
とにかく長く感じる。BGMも無く、淡々と進んでいく。起伏も無いし。
とりあえず、完全に受け身で楽しみたいっていう人にとっては、楽しい所など1つも無いだろう。
哲学・思想系の資料だと思えば楽しいところもあるけど、その場合だと余計な描写とか多すぎで、普通にその系統の本を読んだ方が何倍も有意義。

んで、テーマやら内容について。
全ての事は思いこみに過ぎないという事だろう。
世界を楽しいと思う事、逆に無意味に思う事。世界が在ると思う事。他人の性格。他人の存在。
全ては「自分」の錯覚に過ぎないのだ。

主人公(クリス)は自分の奥さん(レイヤ)の事をまったく分かっていなかった。
それこそ、ソラリスが生み出したレイヤが自分に違和感を持つほどに。
クリスは何故レイヤが自殺してしまったのか、分かっている「つもり」だったのだろう。

最後、クリスは地球に帰ってきて、無意味に日々を暮らしている「つもり」だった。
しかし実際は地球に帰ってはおらず、その地球だと思っていた世界はソラリスの中で観ているものだった。(正確に言うと、クリスの存在自体が「在る」のかどうかさえ不明で、誰かがクリスは存在していると思い込んでいただけだろう)

所詮、全ては思いこみにすぎないという事だ。
しかし、クリスが死んでしまった奥さんも「レイヤ」も愛していた事は確実だろう。
たとえ操られていたとしても、愛しているという事実だけは変わらない。
それが唯一の真実。まさに「コギト・エルゴ・スム」という事だ。